京都実践講演会 開催レポート
- 2 日前
- 読了時間: 11分
更新日:3 時間前
去る2026年8月9日(日)、ハートピア京都にて、宇城憲治塾長による京都実践講演会が開催されました。当日は関西を中心に大人50名、学生37名、さらに未就学児を含めた90名近い人が参加、塾長の指導の根幹である、実践・実証をベースにした3時間半にわたる熱いセミナーが繰り広げられました。

講義冒頭では、塾長が15年ほど前に展開していた、プロアマ問わず多くのトップアスリートへや、指導者クラスへの指導映像が放映されました。サッカー、陸上、野球、アメフト、相撲、スキー、格闘技、合気道、空手など、ジャンルの全く異なる選手たちを劇的に変化させていく映像に、参加者は食い入るように見入っていました。
年齢にも身長にも体重にも大きな差があるにもかかわらず、なぜ世界トップクラスの人たちを指導できるのか――。塾長は、放映後「それは力を使わないから」と一言。そして、そうした身体をつくる元となる学びをこの日のテーマにして講義実践していく、と話されました。
その一つが全体と部分の捉え方の違いです。塾長はまず参加者に「地球は丸いと思う人は」と質問します。会場の半数以上の人から手が上がりました。塾長はそれは宇宙から人工衛星で撮影された動画を見て「丸いと知っている」単なる「知識」であって、本来の「知る」ではなく、部分的な捉え方であることを指摘します。
「ビールの味をいくら説明しても伝わらないが、一口飲んだらわかる」のと同じで、「知識」で知っていることと、自分の身体で知っていたことはまったく異なるということ。塾長は、そうして知識でものを見る癖がつくと、実体とのズレが置き、部分ばかりに目が行き、本質を見ることができなくなると言います。それは、手や足などの部分強化や勝ち負けに目がいく今のスポーツも同じだと言います。
塾長は以下の実践で「部分と全体」の捉え方を説明していきました。
全体と調和(検証:一列押し)
まず最初に塾長はリーダとして全体的な捉え方をすることの大切さを示しました。
ふつうに押すと列はびくともしないが

▼
この時、列の一人(前から3人目)が足の位置を変えてみると・・・簡単に押せる

▼
前から4人目が別の方向を見ていると、また列が弱くなる

「野球のチームでも会社の仕事でも、調和を乱す人間がいたらその組織は弱くなる。一番後ろにいる目立たない人間が足を入れ替えたとしても弱くなる。皆が別々の方向を向いていたり、外見からはわからなくても、それぞれが違うことを考えていても弱くなる。こういうところを指導者は見抜けないといけない。これが全体を見るか部分を見るかの違いです」
次に塾長は列を押すには何が必要なのかを問うていきます。
列を押せないことを確認した後に、具合の悪い人に「大丈夫ですか」と寄り添う

▼
列を簡単に押すことができた

▼
さらに、寄り添われた人も列を押すことができる

どうしたら押せるかという時、ふつうは大きくて力の強い人が押せると考えますが、それは対立衝突を生むだけで解決できません。検証のように、人に寄り添うことでその人にエネルギーが生まれ、そのままの気持ちで押すと列と一体となり押すことができました。寄り添われた人も押すことができました。
「人間は本来、これくらい早いスピードで変化することができるのです。寄り添ったほうも、寄り添われたほうも強くなる。地震が起きた時、そこへ応援にいく。支援する人も、された人も強くなる。これが人間を強くするのです。すなわち人間性です」
子どもにできて、大人にできない(検証:スクラムを押す)
講習会の後半では、大人ががっちりと組んだスクラムを、赤ちゃん、幼児、小学生、中学生、高校生、大人が押していくという検証をしました。
赤ちゃんを抱いたお母さんだと簡単にスクラムは倒れ、小学生、中学生も倒すことができました。ところが高校生になるとあやしくなり、大人だと全く歯が立ちません。それはなぜなのか――。
塾長は列を縦に見るように参加者を促し、大人が力づくでスクラムを押そうとする瞬間、スクラムは押されまいと、押す人のほうへ傾いていく様子を指摘しました。
「子どもがやる時にはこれがないんです。なぜ子どもはできるのに大人にはできないか。すなわち、なぜ進展しながら自滅に向かうかの答えがこれなんです」と塾長。
素直さを失い、部分の欲に動かされると、頭による筋肉の力となり衝突してできなくなる様を分かりやすく示していきました。
そして塾長が、先ほどできなかった高校生の一人に「ではどうしたら倒せるかな」と問いました。高校生が、午前中の実践指導にあったように、人に寄り添ってから押す、を実践してみると、今度は見事にスクラムを崩すことができました。
「できる、できない、はすべて自分のなかにあるのです。教えて学ぶのではなく、気づき気づかせるなのです。」そこに、言葉でなく身体で本質を分からせていく指導がありました。
所作で身体が強くなる(検証:お箸の使い方)
ふつうは背中を押されると前に倒れる

▼
箸置きを正しく使う所作をすると、押されてもびくともしない

▼
むしろ後ろの人を倒すことができる

全員が、塾長の気による変化を体験した
写真はおんぶした相手が重くなる実践

塾長が講演会を通して繰り返し言われたことは、日本は本来「気が利く、元気、病気、気がかり、気づかい……などたくさんの「気」の文化がある「気の国」であるということ、江戸時代までは、その「気」で守られてきた国民であったということです。 塾長は「気」は全体を捉えるエネルギーであると言います。今の科学のように要素還元主義の部分の在り方ではなく、日本にしかない「気」の文化を見直し、本来のエネルギーを取り戻していかなければならない。そのためにはこの日、繰り返し検証で示されたように、頭による部分の理解ではなく、身体と心で捉えていく「全体という物の見方」をしていくことが大切であること。そのことを今一度確認し、3時間半の講演を終了しました。
以下に参加者の感想を紹介します。
参加者の感想
●滋賀 小学生 8歳 女子
大勢の人をたおす体けんをさせていただきありがとうございます。
今日来て、うそはついたらダメだと想いました。
●和歌山 小学生 11歳 女子
おんぶして急に重くなってすごくびっくりした。進化してると思ったけど、実は人間は退化していることに驚いた。私も先生みたいに大人でも気を使えるようになりたい。
●山口 学生 12歳 女子
先生からのご指導をいただいて、自分の実生活の中での気づきが見つかりました。「気」という人間の素晴らしい潜在能力を守って人間として正しくあるべき姿で生きていきたいです。すばらしい講習会をありがとうござました。
●京都 中学生 12歳 男子
特別なことはしてなかったのにすごいパワーが働いていて、それを日常生活や、野球につなげていこうと思いました。
●京都 中学生 14歳 男子
人間性か大切だとわかりました。よくすることで力を発揮することができるとわかりました。人間にはこんなに大きな力を持っているとわかりました。
●愛知 高校生 16歳 男子
今まで、正直半信半疑だったけれど、実際に宇城先生から学び、「気」について触れたことで、新しい感覚を感じることができた。力任せで相手に向かうと相手も身構えてしまうけれど、力を抜き、相手に寄り添うような気持ちを持って向かうと、相手が余計な警戒をする必要がなくなり、隙間ができるとわかった。また、武道やスポーツだけでなく、人間性を高めることが全てに通ずるものだと思った。今回この貴重な体験ができとても自分にとって良い時間になった。
●愛知 高校生 16歳 男子
今日、宇城先生から学んだ何事にも「気」が大切ということが分かりました。また、ただ勝てばいい、当てればいいということではなく、人間性の部分から相手が仕掛ける前に線をかけるなど準備というところから、頭ではなく細胞で感じることが勝負に勝つためには必要なところなのかなと思います。そして、今日学んだ「脱力」「ゼロ化」というところも自分の剣道につなげていきたいと思います。
●愛知 高校生 15歳 男子
今日、宇城先生から「気」を学んで、感じたことのない部分を感じることができた。
自分の目に見えない部分を肌で感じて剣道につなげていきたいと思った。周りへの配慮や謙虚な気持ちなど(お腹を痛めている人に大丈夫ですか?と声をかける)から気ができて、相手に伝えることができた。剣道も無意識の領域の中で戦うことができるようになりたい。
●愛知 高校生 15歳 男子
気について今までに無い体験ができ、自分の感覚の世界がひろがったような感じがしました。また剣道の竹刀を使ったもので力は入らないことも学べました。寄り添うことで気が出て成功するという体験もでき、貴重な経験もできました。大人より子供が持つ力がすごいことが分かったし、何よりこの約4時間があっという間に感じました。
●京都 会社員 29歳 男性
想い、情熱が大切ということが大変印象に残りました。また、日本の伝統的な作法、礼儀、気配りがいかに重要であるかもわかりました。すぐに迷ったり、悩んだり、怯えたりする自分をなくし、礼儀、気配りを大切にしていこうと思います。ありがとうございました。
●滋賀 会社員 44歳 女性
貴重な体験をさせていただきました。気は心の力学であると感じました。そして、力とは反発するエネルギーではなく、全体に調和し、とけ合うことと考えさせられました。アクティビティでは、自分が一部になりつつも全体を感じられるものでした。
●広島 眼鏡店 36歳 女性
本日はありがとうございました。最初は何で?と思って見ていましたが、自分が和に入って体感することができたとき驚きました。おんぶして身体の重さの違い、軸のブレ感や体感の入り方など実感することができました。また宇城先生の身体を触らせていただいた時、力の入っていない柔らかい身体をされていたのも 大変驚きました。これからの日本のことを含め、改めて今日から知っていこうと思います。
●広島 眼鏡店 36歳 男性
これからの日本の為に本来日本人に備わっている氣を大事にして、まず、自分の気を整えて日本国の為に自分が変化していきます。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
●兵庫 会社員 36歳 女性
連なる人をどうしたら押せるのか?というところからスタートしました。
まずは連なっている人の中で、他と違うことをしたり思ったりすると連なっている列全体が弱くなり、押される。
これによって、人がバラバラであることの弱さがよく分かりました。次に、強い状態の列を押すには、例えばお腹が痛い人がいれば寄り添う、そのことで列を押すことができる、また、押された列も、人が腕にぶらさがっても大丈夫なほど強くなる。押す人も押される列も一つになり、全員が強くなる。
宇城先生が「これが全体」と仰ったことが、印象に残っています。人に寄り添うことによって、人間は本来の人間の力を発揮することができる、寄り添われた方も強くなり、どっちが上、下、というものがなくなり、全体として皆強くなる。私たちの身体はそのような人間として正しい行動に即座に反応して無意識のうちに強くなるように、あらかじめそうなっている。そのことに、改めて、ものすごい神秘を感じ、感動しました。
箸の正しい所作や箸置きの有無等によっても身体が強くなるということも、実証されていましたが、日本に「気」のつく言葉が多くあるように、昔から日本人は、気の存在を感じていて、どのような所作が人間としての本来の力を発揮することにつながるのかが分かっていたのだと思いました。
そのことに気づいて、それを絶やさないように、勉強し、まずは私たち大人がせめて所作を直していかなくてはならないと思いました。
野球や剣道をしている中高生が多く、それに応じた説明を先生がされていましたが、冒頭に流れたDVDにあったように、宇城先生が伝えてくださるのは、全ての大元にある人間とは何かということで、あらゆるものにつながると思いました。
中高生の方々にとっても、野球や剣道が、ただのスポーツではなく、人生をよりよく生きていくための大切なことを学ぶ場に、今回の講演会を通して変わっていくように、傍から見ていて感じました。今回は、中高生の方が、スクラムを押すだけでなく、押されるスクラムの方にも入って、先生の気によって倒されていく姿も見て、ぐわーっとなりながら生き生きした表情に、とてもいい経験になっているのだろうなぁ、と感じました。
今回も親子で参加させていただきました。5歳の娘は、今回は気がのらないようで、自分が押したりすることには参加しませんでしたが、人の列の横を歩くだけで、列が押されて動くというのは初めて見たようで、目を丸くして、「見た? 動いたね!」と言っていました。何度も参加させていただくなかで、ある意味、自分を含め子どもが大人を押せることは当たり前になっているようです。
1歳の息子にとっては、初めて自分の足で前に進み出て、実践に参加してみる機会になりました。子どもがそのまま人間の力を大人になっても発揮できるのか、それはやはり親の自分の変化や行動にかかっていると、改めてその責任を感じさせていただきました。
ありがとうございました。


コメント