2026年 創心館幹部合宿レポート
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淡路島創心館総本部道場にて、7月16日(木)から20日(月)までの5日間において、創心館幹部合宿が行われた。宇城館長の元に両師範を始め、全国から幹部、アメリカ、ヨーロッパからの支部長が集い稽古が行われた。
合宿のテーマは「入る」。初日は館長がホワイトボードに記載した宇城空手の最大の特徴であるゼロ化、無力化とそこに至るための「先を取る」とは何を指すのか、その総論とそれを踏まえた様々な検証から始まった。言語化可能な対立・打ち合いの意識領域と、言語化できない調和・無力化の無意識領域。身体能力の目盛りは後者に行くほど細かくなる。
2日目からはその具体的なステップとして肘を柔らかく使うという指導とその検証があった。肘が自在になるのも宇城空手の大きな特徴である。複数で組んだ状態から相手を動かせるのか、寝た状態で動かせるのか。宇城館長は「目盛りが細かい世界から、目盛りが粗い世界に見せたら、見せられた方は分からない」との指導と共に、全ての矢印は相手ではなく自分に向かうと繰り返し述べ、「気づくきっかけは人それぞれ。できる時は身体が分かっている。やろうとするのは既にできていない証拠」、と指摘した。



3日目からは榎本師範、拓治師範も参加し、両師範の指導の下、グループは二つに分かれて稽古が続いた。基本、天の型、そして型と分解。宇城館長は常に合宿のテーマに沿って、「間を作る、間ができたらそこに気が流れる」と指導すると共に、参加者全員に対し武術空手に向き合う厳しさ、真剣さの欠如について厳しく指導した。対立・打ち合いを否定した所で、それを凌駕する理合を身につけなくては、それはただのオタク空手であり、館長が指し示す未来への希望には繋がらない。そのためには検証でも互いに妥協を許さない厳しさと、できて喜ぶ、できなくて落ち込むではなく、「なぜなのか?自分に今欠けているものは何なのか?」と常に問い続けることの重要性を説いた。

創心館総本部道場は特別な場である。そこに志を同じくする者同士が集う。稽古を重ねていく中で各自が日常では実感できないような目盛りの深さを感じる。その深さは道場の中でのみ起きるとは限らない。ニューヨーク支部長は懇親会の席で館長にワインを注いでいたが、そこで館長が「今、できている。ならば道場でできていない時と今とどっちが本当の稽古なのか?」と問いかける場面もあった。そして「この人数で、この場でこれだけの時間を共に過ごすから感度が高まり、理解が深まる」との言葉もあった。

「人と人の間」と書いて「人間」。そこの「間」では理合も伝播するが同様にクセも伝播する。子供は自然と全てを写す。となれば、その親はもちろんこと、周りにいる大人の責任は重大で「無くて七癖あって四十八癖」と館長は各自が無自覚に持っているクセに対し、いくどとなく指導した。外面的なクセは比較的修正しやすいが、内面のクセと細胞の動きはその人の無意識の中にあるもので、指摘されなければ気づくこともできない。5日間の様々な検証を通じて、宇城館長は各自が持っている課題に向き合えるよう道場でも、懇親会でも一切の妥協無く指導した。

宇城空手は人間の潜在能力を開発する素晴らしい方法であり、日常生活こそが実践の場である。これを日本のみならず、アメリカ、ヨーロッパと、世界各地域で身につける人々が増えれば、そこからの周りへの伝播も含めて未来への希望と繋がる。5日間の稽古を終えて、各参加者が改めて己の思いと課題と共に創心館総本部道場を後にした。

参加者感想
■マーク・エイブラムス ニューヨーク支部長
金曜日の午後になりますが、私は今もなお、今年の合宿の余韻から立ち直り、内容を噛み締めているところです……。火曜日の夜に帰宅して少し眠った後、すぐに仕事へ戻り、時差ぼけと闘いながら、今回の合宿で体験したすべてを整理しています。
木曜日の夜、先生から私に直接いただいたお言葉は、まさに今の私がようやく聞き入れなければならない真実でした。先生は私に対し、「人間としては『先(せん)』を取れているが、武道・武術の文脈に入った途端、自らの内なる自分や潜在能力が表に出て『先』が発揮されるのを止めてしまっている」と指摘してくださいました。「真剣」というテーマが、私の全身全霊に響き渡りました。ドイツを出発した際、私は自分自身に腹を立てていました。なぜなら分解組手を始めた瞬間、昔からの筋肉の悪い癖が顔を出し、稽古の体験を阻害していたからです。そのため私は、腰の術後に型を身体的に稽古し始めた「最初の第一歩」に立ち返り、筋肉の緊張をなくし、腰(背中)の動きから四肢へと連動させる動きに戻ろうと努めました。
淡路道場での稽古には、何か特別で深いものがあります。私は自分自身の内面を正しい状態に置き、サンチンの型を稽古し始めました。先生は私のサンチンの変化に気づいてくださり、その変化を、今まさに進むべき(そして、とっくに進んでいるはずだった)方向へと導くための直接のご指導をくださいました。ここで、先生の「真剣」というメッセージが、これまでにない次元で私の中に腑に落ちたのです。型における自分の動きへの意識において、私が「厳しさ」を欠いていたという先生のご指摘は、100%その通りでした。先生は「間」について、単に時間と空間を制するにとどまらず、相手の意識の及ばない形で時間と空間を制しながら、相手を無力化することに繋がっているとお話しされました。この正しい動きによって空間に「気」が満ち、それがやがて、自動的に空間に気が満ちる状態へと変化していくのです。先生から(後に榎本師範から)ご指導いただいた動きを稽古する中で、私は過剰な筋肉の緊張を伴う動き、筋肉の緊張はないが「気」が抜けている動き、そして「気」を体現した正しい動きという、それぞれの感覚の違いを意識できるようになりました。私は自分の動きの中で「気」の流れが途切れる瞬間に猛烈に意識を向け、日常のあらゆる場面でこの動きの意識を実践しています。昨晩私が指導したクラスでは、道場生たち(特にスコット)が、私の中に生じた大きな変化を敏感に感じ取っていました。私が個人的に取り組んでいるテーマを共有したところ、道場生たちは私の動きに対する自分たちの反応の違いを体験することができ、それが彼ら自身の進歩を加速させる一助になればと願っています。
そして、もう一つ私の中で深く刺さった大きなポイントは、病み、争いに満ちた世界を調和させ、癒やしていくという目標を、自身のあらゆる体験に浸透させ切れていないという「意識の厳しさの欠如」でした。心理療法士としての職業生活においてはこれがうまくできていると実感していますが、人生において出会うすべての人々に対しても、より高い次元でこれを体現できるよう目指す必要があります。
今回の合宿は、ここ最近の合宿の中でも久しぶりに、自分の中に前向きな変化が起きていると実感でき、日常のあり方に対して必要な「厳しさ」を維持することで、どのように自己の成長を加速させられるかワクワクしています。来月シアトルで榎本師範のもとで稽古する際、この成長の姿をお見せできればと思っております。
■T.K 東京実践塾
宇城先生
創心館総本部道場での幹部合宿に参加させて頂き、そして貴重なご指導を賜りまして深く感謝申し上げます。
幹部合宿は、宇城先生と両師範、海外からの弟子達と共に、淡路島総本部道場にて先生や両師範からご指導を頂き、五日間も先生と寝食を共にする事の出来る、本当に稀有で貴重な体験の場であり、参加させて頂いた事は誠に光栄な事ではありますが、もっと自分自身が幹部としての自覚や責任を持って、宇城空手に向かわなければならないと改めて感じています。
武術は出来るか、出来ないかの厳しい世界であり、どんなに貴重なご指導を頂いても、最後は自分自身の身体と心でそれを自得しない限り出来た事にならないという事。出来ないには必ず出来ない原因があり、出来ない今の自分の中に内在している無数の原因を一つひとつ見出して、それを身心で克服していくしかありません。何でも理屈というフィルターをかける癖、心に潜んでいる我や欲、そして今回先生は、卑屈さも出来ない原因の一つとして挙げられました。型や分解組手の稽古では、沢山の自分の癖やしゃくりについてご注意を頂きました。これも身体で直していくしかありません。
武術の究極である「先」をとるという、相手に入り相手を無力化するという世界は、0.5秒以下の無意識の時間、0.2秒以下の超無意識の時間に働き、先生の気は細胞がもつ100万分の1秒に働きかける速さを持っている為、先生によって瞬時に、自分達塾生を出来る自分と出来ない自分に変化させられます。この無意識の世界は、心と身体で感じるしかない世界で、考えようとすると瞬時に止まって消えてしまいます。先生は「この0.5秒以下の無意識の世界にのみ人間の成長がある」と仰いました。そして人間の進化は、真心によって自分自身の目盛を増やしていく事であり、それが人間の成長であり、相手に入り無力化する事にも繋がっていくと。
今回の稽古で、麻那さんがサンチンの型をされた時に、麻那さんから全体に放射されるエネルギーの様な波動をはっきりと感じる事が出来ました。この理屈抜きの波動を全身で感じた時、人間には本当に限りない可能性や潜在能力があるんだという思いが込み上げて来て感動した事が今回一番印象に残っています。
性別も年齢も体格も社会的地位も全く関係の無い世界、闘争や衝突を乗り越えて調和と融合で相手を制する世界、それが宇城空手の世界であり、世界中のどこにも存在しない世界だと思います。今世界中で戦争や紛争が続き、社会も差別や信じられない様な悲惨な事件が続出している世の中であり、この現状から脱却し、特に将来を担う子供達にとっては、宇城空手の教えが唯一の解決策になると思っています。
合宿が終わった後では、いつでも自分の無力感や虚脱感でいっぱいになり、何も出来なくなりますが、時間と共にまた沸々と元気が湧いてきて、やるしかない、という気持ちになります。それは合宿においてとんでもない莫大なエネルギーを何度も無意識レベルで体感したからだと思います。稽古で経験した沢山の事も、今は全部覚えていなくても、これから無数に後から後から湧いてきて思い起こされてくるのだと思います。それ程のかけがえのない貴重な体験をこの幹部合宿で体験させてもらえた事は本当に感謝しかありません。
これからもひとり稽古の中で自分の出来ない原因を探していき、また日常の中で行動をしていく事、常に宇城空手を実践する事を心がけ、自分の目盛を増やしていきたいです。
これからもご指導ご鞭撻の程、どうか宜しくお願い申し上げます。
有難うございました。


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