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ベルリンセミナー2022 レポート


2022年10月22-23日の週末にかけて、3年ぶりに宇城館長による海外セミナーが開催された。場所はドイツ・ベルリン。コロナ禍で塾長はアメリカ支部、ヨーロッパ支部向けに定期的にZoomで指導を行ってきたが、館長がベルリンセミナーの開催を決めた時の海外支部の喜びは大きかった。


ドイツへの旅は時代に逆行する戦争でロシア上空を通れないため、片道15時間半かかるものとなった。そしてドイツでは一度もマスクをすることなく、文化の違いが感じられた。


セミナーはドイツ、イタリア、ハンガリー、ポーランドの各支部、準支部はもちろんのこと、アメリカ支部からも参加があり、60名近くが参加する国際色豊かなものとなった。ドイツ、ハンガリー、ポーランドはそれぞれ日本語が話せるローカルの通訳も同行し、各国の館長からのメッセージを一つも聞き逃すまいという強い気持ちが感じられた。



全員でサンチンの型を稽古する

日本語から各言語へ通訳された内容を熱心に聞く参加者


2日間の稽古では館長による宇城空手の特徴は空手、居合、気の3つが融合したものであるという話から始まり、土日の午前は木刀の稽古に充てられた。素振り、切り返し、組太刀、そして居合の型。館長が丁寧に手の内の重要性、何故、宇城空手では剣を重視するのかと丁寧に説明され、それを各国ごとのグループに分かれて稽古をした。






木刀での検証を行う館長

しっかり握った2人、を手の内の柔らかさで、、、

投げ飛ばす



午後は空手。参加者の希望に沿う形で初日はサンチン、2日目はパッサイが行われた。館長がそれぞれのグループで様々な型の正確さと、型を構成している技の実証を行いながら、型の重要性と分解組手の大切さを説いた。「型は美しく技は心で」「身体は内なる気に応じて動き、気は心の向かう所に応ずる」の教えとともに、相手を倒す対立の空手ではなく、自分を守り、相手を活かす調和の空手を2日間の稽古を通じて何度も示された。



ポーランド準支部長にサンチンの指導を行う館長


イタリア準支部長を相手に、型からの自由組手




「空手の拳は伸び縮みする」の具体的な指導。攻撃心の拳は縮み、守りの拳は伸びる。この実証は全ての人の驚きとなった。



自分の手が伸びたことに驚き、喜ぶ少年


気の稽古では女性や子供を中心にスクラムを組んだ大人に対し、一人では投げることも動かすこともできないのに対し、先生に触れると自由自在になること、そして館長が正しい基本や型を行うと自然にできるようなるという実証を示した。また館長が見せているのは参加者の持っている狭い視野の中に収まりきらない未知の世界であり、その未知の世界に対する感受性を高めるには各参加者が各々、人としての器を大きくしなくてはならないとの話もされた。



女性が館長の腕に触れると、、、
簡単に投げることができた



今回のヨーロッパセミナーは創心館ドイツ支部だけでなく、イタリア、ハンガリー、ポーランドの各準支部として参加する初めてのセミナーであることもあり、館長の創心館指導者に対する、創心館支部長としての自覚をもってもらうため、厳しい指導をされた。



ポーランド準支部メンバーへの指導を行う館長

剣でも型でも各国それぞれ個別に行うと特徴が際立ち、それがその国の指導者の姿がそのまま映ったものであるということ、それ故に指導者は他の人たちの何倍もの勉強が必要であることを館長は2日間を通し、何度も強調された。その中でも大人はなかなか癖が抜けないのに対し、子供は館長が少し姿勢を治すと途端に動きが変わることを指し示し、大人として子供を指導する際に負うべき責任の重さについても述べられた。



それぞれの日の稽古の締めは懇親会。今回はそれぞれの国がローカルの通訳を連れてきたこともあり、館長の前の人だかりはいつも以上。館長もその気持ちに応える形で懇親会の席でも指導が尽きることはなかった。一部の参加者からは館長が稽古で実際に技をかけてくれるだけでなく、こうして一緒に食事をしてくれてお話をさせてくれることについて、今までにない体験だと感動する声もあった。



稽古後の懇親会

2日間のセミナーはあっというまに終わってしまったが、各支部、準支部ともに館長の思いと教えを受け取り、次回の機会に向けてさらに稽古を積むという形で塾長の太陽のようなエネルギーが参加者全員を照らし、包み込んだセミナーとなった。



ベルリンセミナー2022 集合写真

 

【参加者の感想】


■ドイツ支部長 マイケル・ケーテ

3年間のブランクののちにこうして皆さんとまた集まることができ本当に素晴らしいイベントでした。先生のご指導やお話に心から感銘しました。学びは稽古だけでなく自分の人生に生かします。とにかく先生のご指導がずば抜けてすばらしい。その学びをみなさんと共有できたことが嬉しいです。これからも宇城空手を学び続けたいです。なぜなら宇城空手はもう自分の人生の一部で、とても重要だからです。


■ ニューヨーク支部長 マーク・エイブラムス

宇城先生

今回のセミナーでの経験を自分の中に定着させるために、この文章を書く前に時間が必要でした。宇城先生や先生の生徒の皆さんと一緒に稽古できたことは、私にとってとても意味のあることでした。この3年間このような接触がなかったことは、とても寂しいことでした。


幸いなことに近くに(車で1時間ほどの距離ですが)武道を嗜んでいる長年の友人がいます。コロナ禍が改善するにつれ、我々は定期的に集い、とても正直でオープンな雰囲気の中で取り組んでいる内容について共有するようになりました。


我々は最近、身体全体の動きを制御するために、中心から始まる背中を使うことの重要性を探求しています。今回のセミナーは私が探り始めている稽古の方向性が正しいものであることを再認識させてくれるものでした。宇城先生のご指導は、私の稽古の方向性に対するアプローチと理解がいかに浅はかであったかを深く教えてくれました。 現在、私は一日中どのような活動中でも、腕の動きを制御するために背中を使うことに集中するように努めています。もちろん意識しなくても身体が動いてくれるようになるには、まだまだ長い道のりですし、何度も背中を痛める経験があるかもしれません。個人的に驚いた発見は、背中のラインを上手に使えるようになると、肚からの動きがよりきれいに表現できるようになることです。


ベルリンで得たもう一つの大きな学びは、剣の持ち方についての先生の教えでした。 手から足までがつながり統一体を作るにはこの作業が重要な要素であると認識しました。 剣を持つ時だけでなく、この統一体を作るために、この身体感覚に多大な注意を払います。


ジョシュと私は、先生がアメリカのグループには統一感がないとおっしゃったことをとても真剣に受け止めています。我々は来年から(東と西で3000マイルの距離がありますが)定期的に一緒に稽古ができるよう調整を始めました。数年前から、周りの仲間が不愉快な思いをしないようにという気持ちで距離を取っていましたが、この考えは役に立っていないことが明らかになりました。我々はアメリカ支部の基盤をきちんと築き、強めるために前進していく所存です。

 


■ポーランド準支部長 マルシン・ジリンスキー 

前回お会いしたのが3年前なのでずっとお会いしたいと思っていました。先生に再びお目にかかれて嬉しいです。先生に直に指導を受ける大切さを実感しています。自分で個人的にがんばったこともありますし、ズームでのご指導もありましたが、やはり実際にお会いして直接指導を受けることで、あらためて気づかされることがたくさんあります。


 また先生の教えを直に受けることで自分のやってきたことが間違っていたことがすぐにわかります。先生のご指導は適格で、私たちが悪い方向にいくとすぐに修正してくださるので正しい方向にいけます。小さい修正事項でもそのあとの発展に役に立つことがあります。


 お会いするたびに思うのですが、先生は、会うたびにより大きな存在になります。私にインスピレーションを与えてくれます。同時に宇城空手がもっているおおきな潜在力も感じます。きわめていきたいと思います。昔こどもの頃、空手を始めた時の新鮮な気持ちがあることを、あらためて実感しています。続けていきたいと思います。


■イタリア準支部長 エマニュエル・アルゼンチーノ

毎年、毎回、宇城先生からはいつも新しい気づきや学びをいただいています。重要な学びのひとつは、エゴではなく本来の自信を取り戻せば、もっと成長してもっと違うレベルにいけるということです。もうひとつは、指導者として、どう指導したらいいか、とくにこどもたちへ、心をひろげていくということを学びました。宇城先生の教えを学べて非常に光栄です。


■ハンガリー準支部長 フェレンツ・フリス

この週末は本当に勉強になりました。自分の息子とかほかの人の顔みても、変化というものをしていいのだと確信し、自分でも変化できるようになりました。成長のたのしみ、成長のよろこびは、今までも知っているつもりでしたが、こういう高さまでいけると思っていませんでした。


 剣の稽古が空手の稽古にこれほどにつながっているという学びが今回の大きな発見でした。これから半年、一年、そこをもっと稽古していきたいと考えています。今まで勉強してきたこと、今回の週末で勉強してきたことを実践、型のなかにふきこんでいくのが楽しみです。


 昔から空手をやっている人と比べて、新しく入ってきた人のオーラがふつうの空手のセミナーとでは全く違いました。初心者でもすぐに成長の道がわかり、成長の笑顔が見られる。こういったことは今まで体験したことがありませんでした。とにかく3年ぶりに先生に出合い、先生の笑顔がとてもうれしい時間でした。感謝しています。


■ニューヨーク支部 メイダゴッドフリード

宇城先生

感謝の気持ちを込めて、これを書きます。

この度、ベルリンで再び皆で一緒に稽古をする機会を得られたのは、3年越しの夢が実現した思いです。私たちは全員、これ以上はないという程、機が熟したことを感じていました。


初日、金曜日の懇親会で先生のテーブルについた人たちは私自身だけでなく、皆、並外れたエネルギーに包まれていました。私たちは皆、それを体験し......それを語り......そして感じたのです。通訳が何人も来ていたのも、特別なことでした。時には、通訳のリズムと全ての声が同じタイミングになることもありました。そしてバベルの塔の話を思い出しました。一つ違うのは今回は......すべてが一つになり、理解されたということです。この困難な時代に、共に集い、学び、稽古し、体得しようとし、経験しようとする意欲を持てるのは宇城先生と宇城空手のなせるエネルギーです。ありがとうございます。


今週末の合宿でまたご指導いただけるのを心待ちにしています。