心を豊かにする
以下は、14年前、SNSがまだ盛んでない頃、日々の宇城塾長のメッセージや活動を伝えるには、本や季刊『道』の発行だけではタイミングを逃してしまうと発行されたUK実践塾の広報誌『心豊かなれば技冴ゆる』(2007年5月~2008年7月まで発行)からの言葉です。
年月を経てもなお、変わらぬ生き様で、私たちの心にまっすぐ響く塾長メッセージを紹介します。(平成20年7月24日発行 第5号より)
心を豊かにする
一度、人様に出した料理はたとえ箸をつけなくても処理するのが当たり前だった。ところが最近名門中の名門料亭で一度出した料理をまた別のお客に出すという考えられないことが起きました。もったいないという理屈ではなく、心が貧しいのです。どこで狂ってきたのでしょうか。その主人公は戦前生まれの人間です。昨今の若い人だけの問題ではありません。
実践を伴わない哲学は何の意味もない。観念の哲学は人に幸福を与えることはできない。なぜか、それでは何も守れないからです。それがいま横行しているのです。
人間は「私」の部分だけでは弱いところがある。「公」の部分が備わってきてバランスがとれる。国民のためにという国のリーダー達、理屈は不要。「私」より質の悪い己の「欲」から抜け出し、国民に希望を与えることに命をかけてもらいたい。それよりも急がねばならないことは、我々一人ひとりが真に強くなることです。それはすなわち心を豊かにすることです。そのことを文化は教えてくれているのです。
世界で日本が誇りある国として存在できたのは、裏切らないことを根底に置いた日本の思想、すなわち「もののふの道」、漢字で書けば「武士道」の文化があったからです。
(東京空手実践塾より)
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