空手談義 型は美しく技は心で ― 座波仁吉・宇城憲治 ―座談録


空手談義

型は美しく技は心で

― 座波仁吉・宇城憲治 ― 座談録


著者  宇城憲治 定価  本体2,200円+税 ISBN  978-4-910001-08-1 判型/分 A5判上製

    口絵16頁/本文184頁 発売日 2020年6月24日








強い信頼の中で交わされる、空手談義。


本書は、『武道の原点』(2000年)、『武術空手の知と実践』(2001年)、『武術空手への道』(2003年)に掲載された、宇城憲治氏と、氏の空手の師・座波仁吉氏との座談録を一つにまとめたものです。

 取材は1993年から2002年の約10年間に6回にわたって行なわれ、初回は座波師78歳、宇城氏44歳、最後の座談会では座波師88歳、宇城氏53歳と、その時々の空手への熱い思いを縦横に語り合っていただいた記録であり、歴史的にも大変貴重な座談録です。

 本書は武術空手の詳細な術技談義であると同時に、宇城氏と座波師との全くゆらぐことのない師弟の深い信頼のなかで、空手の歴史、沖縄の歴史、武術空手とは、師に学ぶとは、弟子を育てるとは、ひいては人間としてどうあるべきか等々、空手にとどまらない、人間としてのあり方においても、多くの示唆に富む内容となっています。

 徹底して武術を追求する真摯な姿勢と、絶対的な信頼があるからこそ受け継がれる伝統と心。本書は、武道・武術の学びの世界だけでなく、すべての学びに通じる貴重な人生の指南書として多くの人を勇気づけることでしょう。


同時発売武術の実践哲学 宇城空手



著者メッセージ

宇城空手 決定版2冊の発刊にあたって

この度、私が約20年前に書いた空手書『武道の原点』『武術空手の知と実践』『武術空手への道』の3冊を、新たに編集し、「決定版」として一冊にまとめたいとの依頼が、どう出版からあり、追加、推敲の上、これら3冊のそれぞれの要点を重ね合わせ、さらなる深さへの追求をしたものとして武術の実践哲学 宇城空手という新たなタイトルで発刊する運びとなりました。


さらに、もう1冊、私の空手の原点でもあり師である座波仁吉先生との座談録を一つにまとめた『型は美しく技は心で ― 座波仁吉・宇城憲治 ― 座談録』と題する空手談義も、同時に刊行することとなりました。


これら2冊を読み、改めて思うことは、20年以上前に語っている内容でありながら、その本質はまったくぶれておらず、逆に新鮮さを感じるほどだということです。進歩・成長には変化は絶対です。しかしいくら変化があったとしても、その本質がぶれていれば、その「変化」の先はまったく違ってきます。


ぶれない変化に必要なのは、そこに「理」があるかないかということであり、私の場合は座波空手を通して、その技の深さの次元に「理」を同時に見出していきました。


もし私が当時からスポーツ空手をやり、競技空手を追求していたならば、今のような境地には至っていなかったことは明白です。勝った負けたではなく、「己に勝つ」という方向へ向かう空手をやったからこそ、今に至る変化があったと実感しています。まさにこの度の新刊、座波先生との座談録を読んでもまさにその通りだと感じています。


私が目指す「変化」とは、持論としている


「進歩成長とは変化することである。

変化するとは深さを知ることである。

深さを知るとは謙虚になることである」


というプロセスにあります。


つまり進歩であり、成長であり、深さに向かう変化だということです。


それは、武術という、ある意味では日本人の文化の根源にも関わるようなものがもたらす「変化」であり、その変化への具体的な武術稽古のあり方、とくに「事理一致」の実践に照らし合わせて吟味、考案したものこれら2冊であるのです。


空手を修業している、していないにかかわらず、本書2冊に見る私の20年の変化が、一人でも多くの人の学びにつながることを願っています。     宇城憲治


目 次


巻頭口絵 16頁(未公開写真含む)


発刊にあたって(編集部)


第一章 型は美しく、技は心で

琉球手から流派を越えた空手へ

琉球手の流れ/団体型の限界/「心を見る」空手/琉球の武士道/相手の呼吸を自分の呼吸に合わさせる/技や型を金庫にしまいっぱなしは、だめ

投げ技 ―― 一つの技からの変化応用

技と術の違い/相手の力を流す/自分に合った術を作る/真剣を想定しての空手の稽古/風圧が先にいく拳

戦わずして勝つ

素手と武器/自分を変えていく力/心の目/戦わずして勝つ/認識から無意識への変化

世界にエネルギーを発信する武道を

父も兄も空手家、自然に空手の道へ/三つのティー(手)― 首里手、那覇手、泊手/空手の実戦稽古/工夫して自分の技を作る/指導は一人ひとり真剣に/心と技が一体となった心道流/武道界を変えていく力を秘めて



第二章 他尊自信

座波師範の空手

技が前に出る/松村宗棍の妻 女空手家/暗闇の稽古――影が逃げるまで、消えるまで/「見る」を修得しないと自分の技は生かせない/「追い詰められて戦う」と「戦わずして勝つ」/自分で自分の技を言いきかす/「おまえの空手は大人並みや」/音曲は琉球武士のたしなみ/「当てる」と「突く」の違い/真剣な稽古が原動力

武術の型は永久の芸術

「古典」を生み出す型/型の目方/力でやるのではなく、技をあらわす/「瞬間的な技」には言葉はない/見て覚えよ/「きれい」から「美しい」へ/額が下す即座の判断/受け即ち攻撃/呼吸/力の抜き方が空手の奥義/一つの拳に百様の技

空手の心

「空手」の名前を汚さない/頭に刺激する言葉を使え/自分の考えで自分の言葉を作る/師弟愛があってこそ技は伸びる/この技を枕に/悟るということ/空手の心・戦わずに勝つ/弟子も自分も一緒に稽古/剛を柔で返す



第三章 武術空手の技と心

型には加齢による変化はない/型を形に変えて自分の技となる/スピードある拳は呼吸で作る/技と心は説明できない/型の稽古は漠然とするな/「道」と「技」の両立とは――他尊自信/「見る」と「眺める」/型は美しく、技は心で――これが武芸の始まり/人間の生きる芸とは人を喜ばすこと/勢いをもって稽古せよ/負ければ負けるほど上手になる/引かずに出る/かけ試し――勝った負けたは本人同士が決める/空手三原則――忍術、医術、算術/稽古は道場だけではない/空手のスポーツ化/古典空手を絶やすことなく/弟子に教えて弟子から習う



あとがき


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