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令和7年創心館福岡実践塾審査会及び第7回創心館福岡実践塾稽古会レポート

  • jht900
  • 9月27日
  • 読了時間: 11分

9月20、21日の二日間、大野城市にある、まなびのやど福岡(福岡自治研修センター)体育館において、令和7年創心館福岡実践塾審査会及び第7回創心館福岡実践塾稽古会が開催された。


初日の午前中は審査会が行われ、少年部3名、一般の部7名が宇城憲治館長の見守る中、これまでの稽古の成果を発揮した。午後は結果発表の後、審査会を踏まえて、館長の指導が行われた。


まず最初の指導は、三本移動における追い突きであった。「移動した際に膝や脚がぶれていると、突きもぶれてしまう」この館長の御言葉を踏まえ、全員で三本移動に取り組んだ。三本移動においては相手と合わせること、間を作ることが指導された。



三本移動組手
三本移動組手

頭ではわかっていてもなかなかできない大人と、館長の御姿をそのまま映していく子供達の違いをさまざまな検証をとおして体験した。


館長「なぜ、私たちは発展しながら自滅に向かうのか」「子どもにできて―大人にできない」とホワイトボードに書き、我々人間にはもともと莫大なエネルギーが秘められているが、後天的な教育や環境、親や周囲の大人から影響を受けて発揮できなくなっている事実を示した。



赤ちゃんを抱いた女性が男性のスクラムを崩す
赤ちゃんを抱いた女性が男性のスクラムを崩す

館長がもったコードが触れるだけで動く
館長がもったコードが触れるだけで動く

それと同じことができる子ども
それと同じことができる子ども


宇城空手は子どもが示す潜在力を守り、育む。一方、スポーツ(筋力)や現代教育(受験勉強)はこの潜在力に蓋をしてしまう。


できなくなった大人(対立・衝突、自滅)が行きつくところは究極戦争(破滅)である。まずは自分自身が目に見えるものや常識から少しでも脱却し、館長の気(目に見えないが確実に存在しているエネルギー)が示す希望ある未来に歩みを進めていかなければならないことを痛感した。


二日目は、初日に引き続き、基本の重要性が説かれ、また館長の気による事象をさまざまな検証をとおして体験した。



杖を持った瞬間 後ろへ崩されている
杖を持った瞬間 後ろへ崩されている


竹刀を持った瞬間 列が上下へ動き出す
竹刀を持った瞬間 列が上下へ動き出す

館長が列を崩す
館長が列を崩す


ここでも子供たちは館長の姿を映し、館長と同じことを再現した。館長が示すこと、そしてそれを子供達が再現できることは、今この瞬間に希望を作るという館長の言葉そのものであった。


この希望を未来へつなげていくために、私達大人は館長の指導通り「人ではなく、人間になる」「その間を作るために、寄り添うなどの行動をとおして、自身の中に調和へとつながる心を育んでいく」思いを強くした。


館長の愛情あふれる指導に心から感謝すると同時に、宇城空手を学ぶ者として、常に自分自身に問い続けながら、日常でも少しでも成長していきたいと、気持ちと決意を新たにした審査会及び稽古会であった。



集合写真
集合写真

感想文



■MY

  宇城先生、福岡での審査会・稽古会をありがとうございました。

先生のエネルギーに満たされ、身体はたいへん研ぎ澄まされていることを感じます。


私はKさんの相手を務めさせて頂きました。稽古のとき、彼女は進級を目指し希望に溢れた眼差しで突きを受けていました。普段よく稽古をしていることが組手からも伝わります。内面から出ている素直さが型にも組手にも出ており、私はKさんの良さを消してしまわないように、のびのびと組手が出来るような突きを心がけました。しかし、それが自分にとって難しくとても良い気付きを得る稽古となりました。黒帯相手の稽古とは異なり、白帯の相手は私が突きに迷いが出て攻撃の勢いを無くすと相手の勢いも無くなります。突きが少しでも異なる所に伸びると形が崩れます。


三本移動ではそれが一番よく分かりました。Kさんの身体から出ている三本移動のスピードがあり、そのスピードに調和させていかなければ手がバチバチと当たります。黒帯相手では調和させながら、相手を感じながら三本移動していくのでスピードの遅さ速さは関係ありません。


白帯の方との稽古は自分が調和していく事を少しでも怠ると相手も崩れてしまうことに気付き、鏡のようだと思いました。私にとっても大変勉強になる稽古ができました。審査会においては、少しでも邪魔しないように、勢いのある攻撃が出来たのかどうかは分かりませんが、皆が進級・昇段を認めて頂き、正直ほっとしたという本音とともに、とても嬉しかったです。更に次の課題を先生から頂戴し、稽古の際の目標ができました。


また、子どもたちの型の美しさと内面のスピードの速さにも驚きました。稽古中に見た時とは数段階も上がっており、本番に強いなぁと関心したのですが、そうではなく、先生を映しているのだと分かりました。先生のエネルギーを直ぐさまに身体で受けてそれを発することが出来ていたのだと思います。子どもたちは「あまり緊張しなかった」と教えてくれ、先生によく見てもらおうという欲がないこと、先生の温かい眼差しを受け取っていること、エネルギーをそのまま出していること、子どもの素晴らしさを改めて知ることが出来ました。


先生が普段からよく言われる「本物に触れることが大切」という言葉の実証がありました。仰られる通り、普段接している大人が問われているのだと思います。子どもたちのそのままを何故大人になると失ってしまったのか、競争という比較による価値付けによって自尊心を固めてきた私たちは自分でも気付かぬうちに階級社会にまんまと取り込まれ、無駄に落ち込んだり調子に乗ったりしています。頭では良くないと分かっていても本当に理解出来ていない大人たちが子どもに接しているのが現実です。もう変わることができない大人は邪魔にならないように子どもの成長を見守っていくしか出来ないなと感じました。そして学校に目を向けると今の教育は歯車が新しい歯車を作っているように見えます。娘が通った小学校は、子どもたちの息抜きの場であった憩いの広場や野菜畑が校舎の建て替えによって駐車場に変わりました。子どもがすっぽりと隠れる事ができた木々は丁寧に枝を刈り取られ寂しげです。きれいな校舎を大人たちは自慢しますが、大人の目が全て届くように造り替えられ管理しやすくなったようにしか見えません。


教育は先生が仰る通り、いったん崩壊してつくり直した方がよいのではと思います。正に、社会の崩壊はすでに進んでいて、そこに呑み込まれないように、私達は指し示して下さっている方向を見失わないよう現在地を確かめてこの波を乗り越えていくことが大切だと考えます。子どもは社会の空気を吸って成長します。子どもたちに希望の未来を残し、生きることが楽しいという実感が持てる環境、社会を創ることが先生から学ぶ私達の使命なのだと心を熱くしました。


宇城先生、本当にありがとうございました。



■YY

 宇城先生、先日は遠い所、福岡実践塾の審査会稽古会にお越しいただき、本当にありがとうございました。2日間にわたり多くのご指導をいただき、また2日目の稽古見学会には子ども達も参加させていただき素晴らしい体験をさせていただけたこと、重ねて御礼申し上げます。私は今回が初めての審査会稽古会でしたが、昇級のお許しもいただき、今後より一層気を引き締めて稽古に励んでまいります。


 1日目の審査会は、普段の全体稽古とはまた違う緊張感もあって、正直、これまで教わったこと、今自分に出来ることを出し切ることで精一杯でしたが、子ども達や上級者の方の型や動きを見て、勉強になる所がたくさんありました。これまで自主稽古では、天の型、地の型、サンチン、ナイファンチンの型を中心に稽古をしておりましたが、相手と調和しながら行う三本移動のご指導や、上級者の方に他の型ではできていて基本の型ではできていない点を熱心にご指導されているのをみて、基本の型といえども疎かにせずに稽古をしていきたいと思い直しました。


型について外形を覚えてなぞることばかりに気を取られていましたが、サンチンの型にある「守り」の動作や引き手、手の握り方一つを取っても、深い意味があることを教えていただきました。ご指導いただいたことを一つひとつ見直していき、稽古を重ねてまいります。


 2日間の稽古会を通じ、型についてたくさん学ばせていただきましたが、「なぜ私たちは発展しながら自滅の道に向かうのか」、「子どもにできて大人にはできないこと」についても、子ども達の力みや居付きの一切ない型や動きからや、宇城先生の動きを見て感じ取り実践するところをたくさん見せていただき勉強させていただきました。


二つの机を手を触れずに引き離す実証で、大人の時は相手との間が疎になって繋がらずにバラバラに感じますが、子どもが前に立つと雰囲気が変わり、何か結びつけられたような繋がりや温かみが伝わってくるのが感じられました。そのやり方を子どもから大人が教わる時に「まず自分の中心をつくる」、「自分の中心と相手の中心を結ぶ」、「押すのではなく、優しく包むように先に進む」等、子どもは言葉を介さずとも表には見えないところまで理解していることを知り、本当に驚かされました。大人は同じようにお手本を見て、手解きをしていただいても、自分の頭で考えて、呼吸を止めたり変に意識をして姿勢を崩したり、周りと一体化できずに独りよがりで動いたり、力づくでやろうとして対立を生み自分で自滅するやり方をしてしまうのが、今回身に染みて分かりました。


また、皆で円陣を組んだり、相手と手を繋ぎ回る実証では宇城先生にエネルギーを入れていただいた後は、回転を止めても身体の内部がまだ強い外力に引っ張られるような感覚が続き、頭で考える癖が出る前に身体が先に動けるようになり、普段の分解組手ではできない動きができました。この感覚を忘れないように、しっかりと立ち返りながら、稽古を重ね日々に活かしていきたいと思います。


 今回の審査会稽古会を通じ、人間の可能性、子どもの秘めた素晴らしい力を引き出せる宇城先生の教え、宇城空手の奥深さ、素晴らしさに改めて感動致しました。道塾の体験講習会には何度か参加させていただき、今回も稽古見学をさせていただきましたが、子ども達と型の稽古をするところまでは至っておりませんが、いつかうちの子ども達も皆さんと一緒に稽古ができるように、また子どもの邪魔をしない大人に変われるように、諦めず怠らず今日からまた日々の稽古を続けて参りたいと思っております。


 福岡実践塾にセミナー受講生として参加させていただいてから今回の審査に至るまで、熱心にご指導いただきました福岡実践塾の諸先輩方にも、心より御礼申し上げます。今後ともご指導のほど、よろしくお願い致します。



■KM

宇城先生、審査会・稽古会、2日間に渡り貴重なご指導をいただき誠にありがとうございました。今回の稽古会では、「なぜ、私達は発展しているのに自滅へ向かうのか」というテーマで、子供達と一緒に様々な角度から私達の細胞に働きかけて下さいました。


審査後、3本移動組手を拝見され、「炭坑節・ダンスになっている。」とご指摘を受け、それでは突いた時に相手に入られ打たれてしまう。更に膝が内側に入り浮いた状態でいると、後ろ足に乗られた時に弱くすぐに崩れてしまいました。しっかり足を踏み込んで突きを出す。前に進むときは腰から行き、下がる時には肚を出しながら下がると、足の上に乗られても崩れなくなりました。いかに基本が間違っていたのかを確認する事ができました。


先生の講義で、人間は人と人とに間があり相手を思う心が大切であると仰いました。私達が思う相手に合わせる事とは、外見上であり心と心を線で繋がず切れた状態で動作的に行っているのだと思いました。心と心を線で繋ぐ内面的な働きがあってこそ、相手と合わせる事や通わせることができるのだと感じました。相手に寄り添ったり相手を想う事ができれば、そこに絆が生まれ調和できる。相手も自分も強くなれる。


検証を通して、スクラムを組んだ列を押すことができました。次に、一列に並んだ人を押す検証では、押しても列が微動ともせず押せない状態でした。そこに、押すという欲が出てしまうと、頭では押さないと思っても手をかざした時点で相手と対立が生まれます。頭で考えれば考えるほど、相手にも気づかれてしまいます。しかし、子供は先生のご指導ですぐにできていました。


今回の講義や検証の中で、子供から大人になるまでの発展の途中段階で、教育・スポーツ・頭脳優先で学んだ私達は、人に勝つ・優位に立つ・悪ければ逃げるなど、いつしか利己的な考えが生まれ、無意識の中で対立をし本当の心を忘れてしまっているのだと思います。そういう教育を受けて育った私達は今自滅へ向かい、奴隷化している現状に気づかず、言われた通り動き、仕事をし、いつもの日常を繰り返しては、生きている意味・生かされている意味を知らず、死に向かうのかと思うと、人生振り返った時、何もないつまらない人生だったと感じると思います。またこれからの子供にも影響を与えていると思うと、責任を感じます。


自滅へ向かう私達はどう向かえばいいのか。先生の空手しかありません。これから生き抜いて行くには、変化していける人間だと仰いました。先生が作り出す空間・エネルギーを感じ、身体で考えていける人間へ。人間力を上げていかなければならないと思います。

この2日間、驚きと感動、多くの気づきを得る貴重な2日間でした。

宇城先生、本当にありがとうございました。

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