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『武術の実践哲学 宇城空手』 感想文

●東京 会社員 S.M 

並々ならぬ読み応えでした。普遍的なものは時の経過によって色あせることがなく、これからもさらに輝きを増していくのだと感じます。

 「20年前に語っている内容なのに、その本質は全くぶれていないことに改めて気づかされます」と宇城先生がご自身でも振り返っていらっしゃることが印象的でした。日常すべてが稽古だとして一挙手一投足すべてについて、そこに理合があるかを常に自らに問い続けていらっしゃった先生の誠実さ、情熱、徹底した真理追求の生き様がこの本全体から感じられました。どの文章一つをとっても論理が明快であいまいな箇所がありません。しかし、その指し示す内容は深遠かつ崇高であり、私などが「理解できました」などと申し上げられるものではありません。後につづく者が道を誤らないように、愛情をもって正しい方向へ導いて下さっていることを強く感じるとともに、勝手に自分のレベルで解釈してその本質を間違って受け取ってしまうことをこそ恐れなくてはいけないと思いました。


 稽古について、やみくもにがんばるという精神論ではなく、型、分解組手、応用組手という体系的なフィードバックシステムを通じて、型を土台に絶対的に成長していけるプロセスが明確にあることは希望です。それ以上に、実際にそれを「できる」形で示してくださる師がいてくださることはこの上ない幸せなことです。あとは自分が素直に自らを透明にして先生を映すことをどれだけ徹底してできるかだと思います。表面的な知識として「見たことがある、知っている」ということにはほとんど価値がなく、「できるか、できないか」その厳しさを超え、できて初めて先生のおっしゃることの一端に触れることができるのだと感じます。


 巻末に掲載のあった2011年創心館創設時の塾生に向けたメッセージが、2020年の「今」をまさに照らしてくださっていることに新鮮な驚きを感じるとともに勇気をいただきました。時間の先取り、「先を取る」をまさに誰よりも実践・体現されていることに感動しました。この本自体にエネルギー、護る力が内包されており、この本に触れることで一瞬にして身体が変わるのも理屈を並べ立てただけの本とは一線を画す、真理を映している本であるからこそと確信しております。本書で導いて下さっていることについて、自分の身体を通じて気づきを得られるよう取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございます。  



●神奈川 自営業 R.K

 キリスト教徒が聖書の感想文を書けないように、1ページずつ感想文が書けるぐらい深すぎる。

 『宇城空手』の感想文はとても書けないので、この時期に出版されて世の中へ出たことへの感想です。


 例えば自分が1億円持っていてすべて寄付してもいいと思うのは、一ヶ月以内に必ず自分が死ぬと分かった時か、10億円の宝くじが当たった時だと思います。

 『宇城空手』は、本来は門外不出の極意書です。

 オープンにできるのは、「事」という行動を「理」に照らし合わせて積み重ねてこられた50年以上の重み、深みのある言葉の意味を頭で分かっても真似できるものではないという事実。

 そして金銭ではとても比較できない、相対ではない新しい生き方、人間としての幸せ、「心あり」の未来の世界の姿が宇城先生には見えていて、そこに導く書で、今こそが人類が幸福への方向(次元)を切り替える時だという確信がおありなのだと想像します。

 『宇城空手』は本の存在そのものから一人革命の時だと伝わってきます。『宇城空手』を持つこと自体がすでに大きな意味があるという書籍の常識を超えています。


 2011年11月 創心館設立の塾生へのメッセージが、まるで2020年の今を見て書かれているかのように、『宇城空手』がこれからの10年(さらに未来)を導き、寄り添い、守って生きる、「守り刀」だと感謝いたします。

 同じ時代に、同じ国に生まれた事に感謝いたします。  



●静岡 農業 Y.F  20年近く前に出された本、「武道の原点」「武術空手の知と実践」「武術空手への道」が一つにまとまられたという事ですが、本当に、今こそ、読まなければならない本だと。そのように感じました。

 まず、この「宇城空手」は知識や興味ではなく、まさに身体、実践を通して学ぶ人間ほど、その内容が身体、または実践からくる経験を通して自分の身体にその書かれている言葉が入ってくるのではと思いました。

 自分も最初に「武道の原点」を読んだ時よりも、10年以上、宇城空手を修行してきて、今こうして今回の新刊を読む事で、本当に、身体でこれまでの稽古や、自分が体験してきた感覚を、まさに身体を通して、文字を読む事で感じ取る、まるで今までの自らの修行の答え合わせをしているかのような感覚になりました。

 文字を読むたびに、その言葉の意味する事が自分の身体の中にあるのか、それを感じ取りながら、ゆっくりと、頷きながら読んでしまいました。


 そして思ったのは、最初からすでに、答えというか道は全て先生は示されていて、それを理解するだけの実践、経験、修行が読んだ当時の自分には無かった、という事だけだと思いました。

 このような感覚になる書籍など、まず無いと思います。生きるか死ぬかの日常があった時代までにはその時代に厳しさから武術の極意書を修行を積んだ者が読む事でそのような感覚を得たことはあると想像できますが、現代日本でこのような感覚を感じる事ができるとは思いませんでした。

 内容も、これまでの日本歴史上の武術の集大成と呼べるようなものではないでしょうか。呼吸から呼吸力、そして人間の正のエネルギーである「気」まで自らを昇華させるための具体的な方法、それには型、自らの身体との対話、そして生き方と、真に人間としてどのようにレベルアップをしていくべきか、という事が詳細に記されています。実践を通して真理を見極めるプロセスで身体脳が開発され「虚と実」を見抜く力が備わる。本当にそのような修行の場が今の日本には無くそれゆえにコロナでも政治でもデマやデマカセ、でたらめの情報、言葉が出て、更にそれを見抜く事のできない庶民や大多数の人間は騙されてしまうのだと思いました。


 今世界中で起きている災害、人災、コロナ禍などについても地球からのメッセージであり、「それに気づくか気づかないか」も人間次第であること、そして現代社会の主流である「対立構造」「自分さえよければの欲」が不幸の要因になっていることが語られていて、それを変えるには「他尊自信」とその実践、地球との繋がり、絆を取り戻していく事が語られています。そしてそれに我々人類がまだ気づいていない事もです。

 日本武術。その現代に残る最後の「宇城空手」は今の地球との絆の離れた世界人類の心を取り戻し、対立構造の世界を変えるための、一番確かなものではと自分は思います。宗教や哲学ではこの人類の歴史が積み重ねた負のエネルギーを防ぐ事はできていません。

 自分は宇城空手を学び、そしてこの「宇城空手」を読み、日本から生まれたこの武術「宇城空手」こそ、この世界の現状を打破するものになるような気がします。

 宇城先生は「地球との絆をより強くしなければならないことを私たちの身体はすでに知っている。まだそのことに気づいていない」と仰っています。それは宇城空手を学べば、身体を通してその仰る意味が、分かります。そして宇城空手は地球とのつながりを、その極意としているのだと。言うならばまさに「他尊自信」「愛」「心」をその根源とする宇城空手はまさに対立構造と我欲の世界を終息させる平和への具体的な「道」であると思います。


 巻末のメッセージにあるように「すべての我欲を超越して調和すること」。それが自分自身を成長させ、また今まさにある大難を乗り越える事になるのだと肌で感じます。

 身体はそれをすでに知っている。あとは気づく事。それには自分自身が自然によって生かされているという事、その謙虚さが必要になってくるのだと思います。この「宇城空手」はこれからも、本当に何度も何度も読み返していく事になると思います。


 まさに現代に現れた、日本武道の究極の極意書であると同時に、この混迷の時代を生き抜くための指針となる本であると。そのように感じます。

 宇城先生、このような人類にとっての至宝(少なくとも自分はそう思います)ともいうべき本を執筆して頂き、ありがとうございます。人間にとって一番大切な事とは何か。それを「武術の原点」「武術空手の知と実践」「武術空手への道」、そしてこの本、「宇城空手」により、初めて学ぶことができたと。そう感じます。



●福島 公務員 H.O 「読み直すたびに新たな発見がある本は良い本である。」

 これは宇城先生から頂いた言葉ですが、私にとって宇城先生のご著書がまさにそれです。

 今「宇城空手」を読み終えて、全ては自分自身の行動であるということを強く感じております。


 社会の中で生きるということは、他者との関わり合いからは逃れらません。世の中には良い人もいれば、悪い人もいる。それは観念としては事実なのでしょうが、人の行動はそんな単純な二元論で割り切れるものではありません。だからこそ、人はより良く生きるために、宗教や哲学、法律といった様々な形のルールを作り、お互いを尊重して生命を守ろうとしてきたのだと思います。


 しかし、人より金という経済成長偏重社会、インターネットの普及、更にはコロナ禍で人と人との分断が加速度を増す現代において、ルールの本質が見失われ、形骸化した外形だけがかろうじて残っているように感じます。それは先生のおっしゃる通り「心なし」の社会であり、自分さえよければ良いというアトム化がますます進む深刻な状況だと思います。


 今、マスコミでは宗教や哲学に目が向き始めています。それが人の心を取り戻そうとする自己修正の流れなのか、もっと別の働きが存在しているのかはわかりません。しかし、我々には、そのような流れの結果を待っている暇はなく、今、この時に、自分自身が心を持って行動しなければならないのだと思いました。


その為には


師を持つ

師の心を知る

師の心を自らに映して行動する


そして


同じ心を共有する仲間を増やす



これが、この世界に正のエネルギーを満たし、人が幸せになる道なのだと思いました。


「事理一致」

 行動が心と一致するよう、先生から頂いた貴重な体験を、ご著書の活字の中に再現して、日々の稽古にしてまいりたいと思います。

 素晴らしい師に恵まれた幸運に心より感謝いたします。

 本当にありがとうございました。



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