武術の実践哲学 宇城空手


武術の実践哲学

宇城空手


著者  宇城憲治 定価  本体2,800円+税 ISBN  978-4-910001-07-4 判型/分 A5判上製 284頁 発売日 2020年6月24日










戦わずして勝つ――

武術の本質を実現する、宇城空手の決定版!


 本書は、宇城憲治氏の空手書3冊『武道の原点』(2000年刊)、『武術空手の知と実践』(2001年刊)、『武術空手への道』(2003年刊)を、再編集の上一つにまとめ、氏に新たに詳しく加筆、推敲いただいた「宇城空手」の決定版です。

 流儀・会派を超えた武術空手としての本質を、実践をベースに解説。本来の武術とは何か、型の意味、分解の意味、身体脳、呼吸力、ゼロ化、師とは、修業とは等々、空手家にとどまらず、すべての武術修業者にとってまさに必読の内容が詳細に展開されています。

 さらに本書には、長年企業トップとして、またエレクトロニクス分野における最先端の技術者として、第一線で活躍してきた宇城氏の幅広い経験と視野からくる、日常のあり方、人としてのあり方、リーダーとしてのあり方、ひいては人間どう生きるべきかにつながる人生における「実践哲学」が貫かれています。まさにそれは、現在宇城氏が展開する、人間の潜在力を引き出す「気」の指導につながる原点と言えます。

 本書は決して昨今に見るようなハウツー本ではありません。武術にハウツーはないからです。しかし、真剣に武術の道を志す方には、本来の修業のあり方へと導いてくれる一冊になることは間違いなく、さらに、多難な時代に生き方を模索する人にとっては、ぶれずに生きるための人生の指南書となると確信しています。


同時発売『型は美しく技は心で ― 座波仁吉・宇城憲治 ― 座談録』



著者メッセージ

宇城空手 決定版2冊の発刊にあたって

この度、私が約20年前に書いた空手書『武道の原点』『武術空手の知と実践』『武術空手への道』の3冊を、新たに編集し、「決定版」として一冊にまとめたいとの依頼が、どう出版からあり、追加、推敲の上、これら3冊のそれぞれの要点を重ね合わせ、さらなる深さへの追求をしたものとして『武術の実践哲学 宇城空手』という新たなタイトルで発刊する運びとなりました。

さらに、もう1冊、私の空手の原点でもあり師である座波仁吉先生との座談録を一つにまとめた『型は美しく技は心で ― 座波仁吉・宇城憲治 ― 座談録』と題する空手談義も、同時に刊行することとなりました。

これら2冊を読み、改めて思うことは、20年以上前に語っている内容でありながら、その本質はまったくぶれておらず、逆に新鮮さを感じるほどだということです。進歩・成長には変化は絶対です。しかしいくら変化があったとしても、その本質がぶれていれば、その「変化」の先はまったく違ってきます。

ぶれない変化に必要なのは、そこに「理」があるかないかということであり、私の場合は座波空手を通して、その技の深さの次元に「理」を同時に見出していきました。

もし私が当時からスポーツ空手をやり、競技空手を追求していたならば、今のような境地には至っていなかったことは明白です。勝った負けたではなく、「己に勝つ」という方向へ向かう空手をやったからこそ、今に至る変化があったと実感しています。まさにこの度の新刊、座波先生との座談録を読んでもまさにその通りだと感じています。

私が目指す「変化」とは、持論としている

「進歩成長とは変化することである。 変化するとは深さを知ることである。 深さを知るとは謙虚になることである」

というプロセスにあります。

つまり進歩であり、成長であり、深さに向かう変化だということです。

それは、武術という、ある意味では日本人の文化の根源にも関わるようなものがもたらす「変化」であり、その変化への具体的な武術稽古のあり方、とくに「事理一致」の実践に照らし合わせて吟味、考案したものこれら2冊であるのです。

空手を修業している、していないにかかわらず、本書2冊に見る私の20年の変化が、一人でも多くの人の学びにつながることを願っています。     宇城憲治


目 次


発刊にあたって(編集部)


第一章 武道の原点

武道を学ぶということ

入門動機について/技のレベルについて/空手観が変わったきっかけ/それからの空手/型が教えてくれること/スポーツ空手と武術空手/武術の生命線・攻防一如/武術空手への目覚め/謙虚さこそが上達への道/良き師との出会い/物事の本質を念頭に指導

使えるための型と稽古法

絶対的上達とは/型から何を学ぶのか/使えるための五つのステップ/理論化には客観性の検証を/使える度合いを高める稽古法/目的と手段

武術空手とは

武術と武道/武術空手の稽古のあり方/「事理一致」に見る実践哲学/型によって導かれる内面の気づき/武術空手の突き「当破」/剣術の木刀に匹敵する空手の当破/武術稽古の魅力/武術稽古に見る攻防一如/武術に必要な要素/空手を知って型を知らない/身体の悟りによって生まれる術技/武術には覚悟を促すものがある/空手のルーツ「沖縄の心」/自分に信じるものがあれば強い



第二章 型と形

型から形へ

型と形/型から形への稽古体系/分解組手/使えるために必要な気の流れ/絶対的ステップアップ上達/絶対的上達がもたらす変化/武術の技/上達のあり方/上達のための稽古法



第三章 身体脳の開発

武術空手が解き明かす身体脳

意識の働きによらない身体動作/無意識化を促す身体脳/虚と実/三つの先/見るから観るへ/肉眼の目と心眼の目

身体脳の開発メソッド

潜在能力を引き出す身体脳/型は身体脳を目覚めさせる原点/心と意識/とらわれない心/身体脳の開発に必要な一人稽古



第四章 呼吸と呼吸力


呼吸から呼吸力へ 武術の呼吸/正しい姿勢と身体の呼吸/呼吸から呼吸力へ/内面のエネルギーを創る呼吸/ゆっくりとして速い動き/相手との融合/力を抜くということ ゼロ化 自分のゼロ化と相手のゼロ化/究極の投げは相手のゼロ化/相手に触れさせない自分のゼロ化/稽古によって起こった身体の変化/相対から絶対の世界へ



第五章 型と分解組手・組手


型は極意の集積 型稽古が促す気づき/単純な技から練られた技に/型と呼吸の一体化が創り出すもの/型から真の術技を生み出す/頭脳と身体脳の関わり 型とフィードバック稽古 重要な身体の内面/目に見える技と見えない技/継続は力なり/理解の一助としての言葉/姿勢の安定/フィードバック稽古/少ない型からの多岐の技を/日々の継続がつくり出す自分史/型と分解組手による身体脳の開発/ナイファンチンの型より/パッサイの型より



第六章 武道の原点を考える ― インタビュー ―


限りなき瞬発力とゼロの力を求めて 肝心なのは自分が実際にその技が使えるかどうか/ベクトルを持たない動き/距離も時間も必要としない瞬発力/瞬発力を秘めたままの状態で相手の力を吸収する/身体の内面と外面の一致 修得はデジタル式ステップアップで 非可逆ステップアップ/相対的稽古と絶対的稽古/型にこそ真理がある/防御からの攻撃が基本 型の本質 型を修得する三つのポイント/分解組手とは/外形・内形の合一とは/空手の理合 生き方に反映する武道を 武道とはあくまでも武術を踏まえたもの/百見は一触に如かず/学びのプロセス  守・破・離/依存他力から自力へ 世界に発信できる力が武術にはある 瞬発力を生み出すエネルギー/武術の上達はデジタル的である/創造力を武術で培う/武道には時間スケールを大きくする力がある



第七章 それからの宇城空手


存在するのは常に今だけ 事理一致が生み出す場 二十年前からの延長線上の今 「気」は、今の中にある未来を先取りできる 「気」の実践から見える五次元世界


あとがき


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