今、日本は政治をはじめ、変わらぬ福島原発問題など、ますます混迷を深めています。かつて誠実で思いやりがあって、まじめで勤勉と、世界に誇れた日本人としての資質と人間力が、急速に劣化してきています。

 　そうした中で、人間力を取り戻していくにはどうしたらいいか。ただ、いろいろな事に、賛成、反対をとなえるだけでは何も変わりません。今大切なことは、確実に変化すること、「変化を起こす」という実践です。

　私は、長年空手道、居合道などの武術を極める一方で、実社会においては、エレクトロニクス分野の技術者として、ビデオ、携帯電話、イリジウム衛星携帯電話、産業機器などの電源開発、さらにはそれらの要素技術とも言えるICを米国シリコンバレーで開発するなど、常に最先端を目指し、会社経営トップとしてその重責を果たしてきました。

　そうした武道修行と企業人としての妥協のない体験をするなかで、時間の概念が大きく変わっていきました。同時に時間をコントロールしたり、空気の流れを変えたりなど、時空や重力との調和・融合ができるようになり、相手に入ったり居つかせたり、ゼロ化したりなどの実践を積み重ねるなかで、次第に誰もが身体に宿す潜在能力の開発を可能にする法則性が見えるようになりました。

　空手実践塾や宇城道塾、体験講演などで行なっている「気」による指導は、そうした妥協のない徹底した文武の生き方から生まれてきたものです。

「気」によってこれまであり得ないとされたことが可能となる実践実証は、それを体験する人に、人間は生まれながらに完成形であること、すなわち私たちはすでに素晴らしい潜在能力を持っていることに気づかせています。

実際、「気」の指導による体験・実証は、多くの塾生に それまでまったく考えも及ばなかった見方・考え方をもたらし、今の自分から脱皮をしていくきっかけとなっています。

　「気」は今の自分を一瞬に大きく変化させ、進歩、成長させていく大きなエネルギーであり、同時にそれはその後の生きざまに今までにないエネルギーを与えてくれます。

　人間力の本質、すなわち潜在能力に目覚め、人間としての本来の強さを知ることで、一人でも多くの人に勇気をもってより幸せな方向へ一歩踏み出していただきたい。そのためにはまずは自分が変わる、自分が変われば周りも変わっていくという、「一人革命」の推進を行なっているところです。