第4回ヨーロッパセミナー レポート
2018年6月23日(土)、24日(日)、ドイツベルリンにて宇城塾長による第4回ヨーロッパセミナーが開催された。
参加者はドイツはもちろん、フランス、イギリス、イタリア、ポーランド、ハンガリーなどのヨーロッパ諸国の他、アメリカ、日本からも集い、初めての人も過去に受講した人も等しく塾長の教えに触れる貴重な機会となった。セミナーは例年通り、英語とドイツ語の通訳を介したが、それ以外にも各国のグループでそれぞれの母国語に訳す担当者がいたりと、塾長の教えを一つも逃すまいと言う気概が感じられるセミナーだった。
「ヨーロッパは年に一回の稽古なので参加者には一年かけて研究してもらえるようなものを持ち帰って欲しい」、セミナーは宇城塾長のこの言葉から幕を開けた。筋肉の時間、神経の時間、細胞の時間、それぞれの速さがどれだけ違うのか、稽古に対して何を求めるべきなのか、年齢に束縛される事なく研鑽出来る武術空手とは参加者の見知った世界とどう異なるのか、これらについて問いかける2日間となった。

塾長の説明を真剣に聞く各国からの参加者

初日の午前は、肉体の動きではなく、内面から出てくる動きについて、いくつかの運動と検証から始まり、そこからサンチンへと流れるように展開した。サンチンの次はパッサイへ。パッサイは一年前のベルリンセミナーでポーランド参加者の希望で塾長が指導した事もあり、一年かけて各自が稽古をした跡が感じられた。そこでさらに深められるよう複数のグループに分け指導が続いた。

サンチンの指導を受けるポーランドの指導者



グループに分かれてパッサイの稽古を行なう
参加者の真剣度合は休憩時間も塾長の元に訪れて通訳を介して色々と質問する姿からも感じられた。通常の稽古ではどのように開始するのか、何を行うのか等と言った質問を始め、塾長の技の目に見える現象のみならず、その元となる所へと関心が向かっており、塾長もその熱意に応じて答え、休憩後の稽古がその質問内容に沿う事もあった。

塾長の内面の変化にも高い関心を持つ参加者

塾長が気を通すとイタリア人とドイツ人二人が飛び乗ってもびくともしない強い身体になる
ヨーロッパセミナーは各国の指導者層が多く参加する傾向があるが、今回印象的だったのが、各国の指導者層が仲間の指導者を連れて参加していた事だった。それぞれの見慣れたグループに新しいメンバーがおり、経験者が盛んに塾長の技を体験するよう呼びかけている姿が各言語で見られた。そして先生に触れた人たちの表情は一様に新しい世界を垣間見たショックと感動に溢れていた。塾長の持つ本物の魅力が伝播していく様が強く感じられるセミナーであった。

ハンガリーとポーランドの指導者を指導する塾長

イタリア人指導者との組手 (パッサイの分解より)











各参加者グループの話を聞くとそれまでの流派を一切辞めて、宇城空手一本に絞ったと言う指導者から、指導者同士で集って宇城塾長から学んだ内容について検証、研鑽を重ねるグループまで、限られた時間の中で何を得るのか、どのように磨くのか各自が真剣に取り組んでおり、宇城塾長の「心は目に見えない、しかし行動は見える」を実践している様が伝わって来た。
